第26回リカレント教育講座「『心の教育』を考える-現代における不登校-」(2024.8.11)
2024.10.17
- 大学院受験生・研究者の方へ
- 一般の皆様へ
- 在学生・卒業生
教育学研究科附属臨床教育実践研究センターでは、年1回、教育相談活動に携わる専門家(幼・小・中・高校教諭、養護教諭、児童養護施設関係者、心理臨床専門家等)と対象に、研修活動の一環として、リカレント教育講座を開催しています。これまで不登校、非行、いじめ、発達障害など、現代の教育現場で大きな問題となっている現象を通じて、子どもの心や教育について深く考えることを狙いとして開講し、毎年全国から熱心な教師や臨床心理士等専門家の参加を得てきました。
第26回となる今回は「現代における不登校」を全体テーマとして、令和6年8月11日(日)に開催し、約100名が受講しました。
午前の部では、不登校の児童生徒への支援活動や教育現場における臨床に造詣の深い、坂田浩之先生(大阪樟蔭女子大学学芸学部心理学科教授)・永尾彰子先生(京都府木津川市立木津南中学校教頭)をお迎えし、「現代における不登校」をテーマとしたシンポジウムをおこないました。シンポジウムの前半では、2名のシンポジストから、不登校の児童生徒やその支援者が抱える「わからなさ」に向き合うために、メンタライジングという方法を取り上げたり、児童生徒の生の声を紹介したりなど、非常に幅広い視点からご講演いただきました。シンポジウムの後半には、受講者を交えた質疑応答の時間を設け、教諭や心理職、福祉職などさまざまな立場から、重要な観点についての質問が多く寄せられ、ディスカッションが活発に行われました。
午後には4つの分科会に分かれ、当研究科教員や当センター国内客員教員等が講師を務め、教育現場における心の問題に関する事例研究を行いました。事例研究では、教育現場における個別事例を素材として、受講者と講師との間で様々な意見が交わされました。当講座に関するアンケートでは、参加者から、「人を育てる、人に寄り添う、人とつながるというのは、今も基本として大切なのだと感じました」、「支援者として側に居させてもらうためにはどうすべきなのか改めて考えたいと感じた」、「シンポジストはもちろん、質疑応答での話をお聞きし、それぞれの先生方が不登校支援に熱意をもって取り組まれているのが印象的でした」などの感想が寄せられ、大変好評でした。
教育現場における心の問題についてじっくりと検討していく場として、来年度以降も本講座を引き続き開催していく予定です。