CLOSE
EN

大学院受験生・
研究者の方へ

教育認知⼼理学コース

人は自分の環境や周囲の人々をどのように認識し、理解し、それらについてどのように思考をめぐらせ、自己の知識・信念体系の中に取り入れてゆくのか。認知心理学の主要な課題は、記憶、思考、感情、言語、知識、意思決定、イメージといった種々の心のはたらきを実証的な手段を用いて解明してゆくことにある。本講座では、教育に関わる心理的諸現象を認知心理学などの方法を用いて幅広く研究している。特に、子どもの認知発達・教授-学習に関する研究、記憶・感情・思考・言語・知識獲得・社会的認知などに関する研究、顔・表情の認識など対人理解やコミュニケーションに関する基礎研究を行っている。

教員紹介

楠見 孝(くすみ たかし)教授

認知心理学:比喩・類推、熟達化、批判的思考、意思決定

知識の獲得、構造、利用を、実験や調査によって、研究を進めている。とくに、(1)人が、学校や職場で知識を獲得したり、スキルに熟達化する過程とそれを支える実践的知能、(2)比喩・物語理解や問題解決、創造性、記憶を支える柔軟な知識構造、(3)推論・批判的思考や意思決定、リスク認知と社会的認知、それにともなう後悔や懐かしさなどの感情についての研究を行っている。

マナロ エマニュエル(MANALO, Emmanuel)教授

教育心理学・認知心理学

教授方略や学習方略を中心に研究を進めている。特に、学生の学習へのアプローチ、学習方略の選択に影響する個人差・課題要因、学習成果を向上させる教授法を主な関心領域としている。現在、思考や文書によるコミュニケーションにおける図の作成と利用、外国語教育法、批判的思考と心の理論能力との関係性、思考スキル発達のためのカリキュラム設計、学生の効果的学習方略使用を育成する教員の能力向上に関する研究を行っている。

齊藤 智(さいとう さとる)教授

認知心理学:作動記憶、認知制御、言語、意味認知

認知過程の制御や言語処理などの様々な心的機能の実現に必要となる記憶の役割、およびのそのメカニズムについて、認知心理学と認知神経科学の研究方法を用いて検討している。とくに(1)作動記憶(ワーキングメモリ)と短期記憶のメカニズムに関する研究、(2)認知制御における作動記憶の役割についての研究、(3)実験的エラー誘導法を用いた記憶過程の研究、(4)知識および意味認知と作動記憶の関係についての研究を行っている。

野村 理朗(のむら みちお)准教授

認知心理学:感情認識・表出、自己制御、生命システム

心の階層を本性や可塑性とともに明らかにし、新しい価値や世界観、意味の創造を通じた社会への貢献を"大きな目標"としています。 とくに心理実験やオンライン調査等により人間心理を描き、基底にある本性を生理指標から探りつつ、研究テーマは、(1) 自己や他者認識(情動、思考、体性感覚等)、(2) 自他をつなぐ共感や身体性、ICT技術、(3) 自然・社会環境(伝統・東洋思想等)を有機的に組み合わせることにより「伝統-先端技術」と「脳-身体技法」の象限からなる新しい研究スキームの構築に注力しています。

髙橋 雄介(たかはし ゆうすけ)准教授

教育心理学・発達心理学・行動遺伝学

ひとの心理学的な特徴とりわけパーソナリティ特性(社会情動スキル・非認知能力)や精神病理的な症状の個人差について,質問紙調査・認知実験・行動観察を用いて得られた縦断データを分析することによって,その発達的諸相や発生機序について明らかにし,また,双生児を対象とする行動遺伝学的な分析を行うことによって,それらの個人差の遺伝と環境の輻輳について示唆を得るための研究を行っています。

西山 慧(にしやま さとる)助教

認知心理学・計算論的認知神経科学

思い出す(検索)・忘れる(忘却)ことについて,認知心理学的観点から心理学実験を用いた検討を行っています。検索を意図的に制止することで生じる忘却現象が主な研究対象でしたが,近年では,その根本にある記憶検索のメカニズムを明らかにすることを目標としています。その示唆を得るために,認知神経科学の知見に基づいた計算論モデルの構築にも取り組んでいます。一連の研究を通して,記憶理論に貢献するとともにそれらを教育場面へ応用することを目指しています。