E.FORUM研修会 「総合的な探究の時間」を探究する
2021.02.05
- 一般の皆様へ
京都大学大学院教育学研究科E.FORUMでは、12月5日(土)、研修会「『総合的な探究の時間』を探究する」を、Zoomによる同時配信で開催しました。
前半は、京都大学大学院教育学研究科・教授 西岡加名恵のファシリテーションによるワークショップを提供しました。評価に関する基本的な内容を説明する講義の後、兵庫県立尼崎小田高等学校にご提供いただいた生徒たちの作品を踏まえて、ルーブリック作りのミニワークを行いました。また、兵庫県立尼崎小田高等学校・教諭 秋山衛先生、福田秀志先生に実践のご様子をご紹介いただきました。
後半は、滋賀県立守山北高等学校教頭(元・膳所高等学校)小池充弘先生、福井県立若狭高等学校教諭 渡邉久暢先生、愛知県立大学教育福祉学部准教授 大貫守先生によるシンポジウム「探究的な学習のカリキュラムと指導」を配信しました。小池先生には「探究活動としての課題研究15年間の改善の積み上げ」――理数系課題研究モデルの一例紹介」、渡邉先生には「願いと狙いの明確化から始める、プロジェクト型探究カリキュラムの構築――目標と指導と評価の一体化を図るための手立て」の演題で実践をご報告いただき、大貫先生には「探究力を育む指導とカリキュラムの構造とは」として「探究とは、特定の状況(文脈)において、探究者が知識や探究の手続きを駆使しながら進行する創造的な営みである」という提案をいただきました。
198名の方がお申し込みくださり、当日は156名の方がご参加くださいました。参加者からは、「今年初めて探究型学習の主担当になったのですが、あらためて目標―評価の見直し方や授業内容の改善の方向性が理解できました」、「生徒たちをじっくり見て、目的を共有していれば、結果にこだわらずに肩の力を抜いて、楽しく探究していく過程が大切なのだと勇気づけられたこと。校長先生や特色教育推進部長の先生も参加されていたので、今後の総合的な探究の時間をより良いものにしていくための話し合いができそうだということ」、「ルーブリックが自分の中で少し具体化されました。特に、基準と徴候の違いは今まであいまいに思っていてとても分かりやすかったです。また、全体を通して、先生方のお話を聞くことができ、生徒のことを見ることがまず大切なのだと感じました」、「[本研修の成果は]ブレイクアウトセッションで他の先生方と評価の視点を共有できたことです。先生方のご専門の教科によって大切にしている視点が異なるとわかり、教員同士が連携していくことの大切さを感じました」、「課題探究のテーマ設定や、研究の過程、指導と評価といったことの基本的な視座を得られたことが今回の成果だったと思います。目の前の生徒がどう在り、どうなってほしいのか、そのために何が必要なのかといったことを考えよというお話をいただきましが、目の前の生徒という具体的な対象を出発点に考えていくという教育のキホンのキを改めて認識させていただいたと思います」といった感想が寄せられました。
登壇くださった先生方、熱心に参加くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。