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環境・防災地域実践活動高校生サミット 高大連携フォーラムin京都大学

2020.04.16

  • 一般の皆様へ

2019年12月21日(土)に、京都大学にて、「環境・防災地域実践活動高校生サミット 高大連携フォーラムin京都大学」と題して、高校生によるポスター発表と高校生・大学生の交流会を実施しました。

本フォーラムは、2011年度から毎年開催していた「出張・瀬戸内海の環境を考える高校生フォーラム」を引き継ぐものです。このフォーラムは、海をフィールドとして探究している高校生たちの情報交換の場として開催されてきました。昨年度からは、従来からの取り組みに、環境、防災、マイクロプラスチック等のキーワードが加わり、様々な内容の探究活動について大学生と交流を行っています。当日は、高校生によるポスター発表に加え、大学生との昼食交流会とキャンパス見学を行い、高校生計50名、大学生計43名が参加しました。

ポスター発表では、大学生からの鋭い質問に対して一生懸命に、そして丁寧に答える高校生の姿が印象的でした。大学生からは、研究の手法や考察、結論に対する質問のみならず、研究の意義や重要性についての質問もありました。高校生にとっては、自身の探究の意義やおもしろさをどう伝えるかを再考する契機となったようです。なお、当日の高校生のポスター発表の内容は下表のとおりです。

高校名

発表概要

兵庫県立尼崎小田高等学校

・マイクロプラスチックの発生過程を探る

・富栄養である尼崎運河の栄養塩を減らす工夫

・カワウ・ユリカモメの性比について

・海洋ゴミ マイクロプラスチック問題に関する国際意識調査

・防災・減災 地域コミュニティづくり 高校生にできること 平時からの活動を~災害時要支援者の存在を地域に知ってもらうために~

大阪市立東高等学校

・『サバメシ』と太陽集光器

兵庫県立六甲アイランド高等学校

・野鳥園でのヌマガエルの発見について

兵庫県立神戸商業高等学校

・海外製品とマイクロプラスチックの量の関係

山陽女子中学校・高等学校

・瀬戸内海の島嶼部のマイクロプラスチックの特徴

安田女子中学高等学校

・海洋ゴミの植物の影響

広島県立広島国泰寺高等学校

・マイクロプラスチックがカキに与える影響

・カタクチイワシにおけるマイクロプラスチックの接食状況

参加した高校生からは、「どこの高校も発表内容のレベルが高くて、文系の僕には理解できないくらいとても大きな内容だったと思います。また、京大生との交流でも京都大学についてたくさん質問することができたのでよかったです」、「京大生からの質問が多く、それら一つ一つが的確だったので、私達の実験発表を注意深く聞いてくれてたと考えると嬉しかった」といったコメントが寄せられました。また参加した大学生からは、「高校生のころから仮説→実験→結果→考察→発表という論理だったプロジェクトになっていて非常に完成度が高かった。高校生同士でも質問をし合い、自分たちの研究が活かせていた。災害や環境汚染など地域密着型、そして日本の将来を考えた発表が多くて、社会的意義があるフォーラムだった」、「ポスター発表の内容構成が非常に工夫されていて、聞いていて飽きない発表であった。パワーポイントでの発表の仕方、ポスターでのまとめ方など、発表の対象や場面を意識してやってあげるとより、聞き手が理解しやすくなるのではないかと思う」といったコメントが寄せられました。

ポスター発表の後、三重県総合博物館の大野照文館長から参加生徒にメッセージをいただきました。大野館長からは、探究する際のいくつかの重要なポイントを共有いただきました。まず、質問する視角に関して、理性的に考えていくことも重要ですが、そのほかに感じること、じっくりと自分の目で自然を見つめることの重要性を指摘していただきました。また、研究の前提を明晰にすること。例えば、今回の高校生の探究と関連づけると、そもそもマイクロプラスチックの一体何が悪いのかという前提の究明をより進めてほしいという意見をいただきました。

当日の会場設営や運営については、兵庫県立尼崎小田高等学校の生徒の皆さんと先生方を中心に担当していただきました。素晴らしい発表をしてくださった高校生の皆さん、各校の先生方、積極的に参加してくださった大学生の皆さんに、この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。

ポスター発表の様子

ポスター発表の様子

ポスター発表の様子

ポスター発表の様子