令和5年度 高大連携フォーラムin京都大学(2023.12.23)
2024.02.01
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2023年12月23日、京都大学にて、「R5年度 12/23高大連携フォーラムin京都大学」と題して、高校生によるポスター発表と高校生・大学生の交流会を実施しました。
本フォーラムは、2011年度から毎年開催していた「出張・瀬戸内海の環境を考える高校生フォーラム」を引き継ぐイベントです。このフォーラムは、海をフィールドとして探究している高校生たちの情報交換の場として開催されてきました。2018年度からは、従来の取り組みに「地域」「防災」等のキーワードが加わった発表がなされるようになりました。
例年に引き続き、今年度も高校生によるポスター発表と、大学生と高校生の意見交換会が行われ、高校生48名、大学生・大学院生28名、教員等21名で合計97名の参加者が集まり、大盛況となりました。ポスター発表では、これまでの探究の成果を他校の人に精一杯伝えるとともに、鋭い質問に対して自分なりの言葉で受け答えする姿が印象的でした。大学生からは、そもそもなぜそのテーマを選んだかという研究のきっかけについて聞くなど、研究の厳密性だけはなく、研究の意義について再考する機会となっていたようです。その後の意見交換会では、高校生からは「高校生のテーマは大学までつながっていましたか?」「どのように研究テーマを思いつきましたか?」という素朴な疑問から、大学生からは「探究と研究の違いとは何か?」という深い話まで意見が交わされました。また、本サミットは、教職科目を履修している大学生にとっても、日々の大学生活を内省し、探究的な活動の先駆的な事例を学ぶことができる良い機会となりました。なお、当日の高校生のポスター発表の内容は下表のとおりです。
高校名 |
発表概要 |
兵庫県立尼崎小田高等学校 |
・日光と水分量がコンポスト化に与える影響 ・NaClストレスが花き植物の発芽に与える影響 ・海の現状をより多くの人に知ってもらうには ・地域コミュニティの構築-看護医療類型の特色を生かして ・尼崎の生活環境をよくするためには?~バラバラな3つの観点~ ・琵琶湖固有種イサザとウキゴリの雑種形成について |
兵庫県立六甲アイランド高等学校 |
・原料の違いによるバイオエタノールの生成量の比較 |
兵庫県立御影高等学校 |
・キノコから六甲山の環境を探る~海と山のつながりを考える~ |
兵庫県立星陵高等学校 |
・神戸市内のベニトンボの生息状況について |
兵庫県立農業高等学校 |
・キノコ廃菌床の利用について |
山陽学園中学校・高等学校 |
・瀬戸内海の海洋ごみ問題の解決に向けての実践~「シビック・テック」を活用した市民協働から挑戦~ |
広島県立広島国泰寺高等学校 |
・フナムシの歩行運動の促進 ・ミミズを用いた新聞紙の分解 ・日光がヤブガラシの葉の色に与える影響 |
兵庫県立姫路西高等学校 |
・ため池が周辺地域の気温とWBGTに及ぼす影響 |
京都大学 大学生・大学院生 |
・薬用作物栽培における課題・価値の再発見と地域社会での共有 |
参加した高校生・大学生から寄せられたコメントの一部を紹介します。
○高校生
・普段聞けないような大学生の質問が聞けて、自分では思いつかないような質問をしていて視野を広げる必要があるなと思いました。大学生の人は自身の分野じゃない所にも聞きに行って質問をして自ら新しいことを学びに行く姿勢をしていてこれから身につけて実用していきたいと思いました。
・高校生サミットの参加生徒でLINEグループを作ってクラウドファンディングなど具体的な活動を行う予定があったり、計画を立てたりしていてとてもコミュニケーション能力があると思いました。自分もこの取り組みに参加して毎回知らない人たちとコミュニケーションをとることでとてもコミュニケーション能力が上がったと思いました。
・このような企画に参加する前は地域課題の事はほとんど何も知らず、興味もなかったけれど、色々参加するうちに海と山の関係性を知り、その重要性も知りました。また、地域の環境の問題点を知ることで、少し興味も湧きました。
・京都大学の先輩方に自分たちのポスターの感想やアドバイスをもらう機会は滅多にないと思うのでとても貴重な経験になりました。もらったアドバイスを活かしてもっと皆さんに海洋環境を知ってもらえるようなポスターを作りたいと思います。
○大学生
・大きなテーマのもと、それぞれが個性的な研究課題を設定し、面白い研究を行っていたため。高校教師を目指す身として、こういった生徒の活動をどう後押ししていくか考えなければならないと思った。
・実際の高校生との交流はとても楽しかったです。科学的な視野を持った考え方を改めて知ることが出来たのがよかったです。また、高校生が行う研究活動がどのように行われているのかを感じることが出来たのも貴重な経験でした。
・これまでの海岸実習や高校生サミットでの発見や考え・活動してきたことが、いかんなく発揮された場だったと思いました。探究を深めることで生徒たちの言葉や主張に重みを感じ、聴講側も刺激をうけるひと時だったと思います。
・どの発表も身の回りから研究テーマを見つけ、それを実際に研究するレベルまで落とし込めていて感心した。私自身、高校で探求授業のTAをやっているので、今後の指導に関してとても参考になった。
当日の会場設営や運営については、兵庫県立尼崎小田高等学校の生徒の皆さんと先生方を中心に担当していただきました。素晴らしい発表をしてくださった高校生の皆さん、各校の先生方、積極的に参加してくださった大学生の皆さんに、この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。