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教育学研究科附属臨床教育実践研究センター主催 公開講座『複雑系科学からみたこころ』を開催しました (2015.04.29)

2015.08.21

臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。

今年度は、センター客員教授で国際分析心理学会前会長のジョセフ・キャンブレイ Joseph Cambray氏を講師として、4月29日(水・祝)の午後1時から、京都テルサ B・C会議室で行い、心理臨床家や医療従事者、教育関係者、学生など約90名の参加がありました。

講演では、まず複雑系科学の系譜について説明され、特に生態学において重要度を増してきているネットワーク理論について、ユング心理学との関連に触れながら解説されました。後半では、それらと心理臨床との関連について解説され、人間のこころをネットワーク的観点から理解しようとすることの重要性についても語られました。指定討論においては、脳の働きや自閉症スペクトラム障害について、ネットワーク理論の観点から議論がなされました。参加者からは、「心理学の文献だけでは得られない視点が得られた」「身体と心、個人と環境は常に繋がっていることを改めて実感し、視野が広がった」といった感想が寄せられ、貴重な機会となりました。

本講座は例年参加者から大変好評を得ており、来年度以降も、現代社会の複雑なこころの問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していくことを考えています。

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講演するCambray氏と通訳の河合俊雄教授