教育学研究科教育実践コラボレーション・センター E.FORUMでは、2020年9月~2021年2月にかけて、京都大学高等教育研究開発推進センターの協力のもと、KoALA(Kyoto University Online for Augmented Learning Activities)を活用したオンラインによる「教育評価の基礎講座」(全6回)を配信しました。
 本講座では、2017・2018年の学習指導要領改訂や、2019年の指導要録改訂にあたって打ち出されている方針を紹介し、「資質・能力」、「主体的・対話的で深い学び」 (アクティブ・ラーニング)、「見方・考え方」といったキーワードの意味を読み解きました。また、教育評価の基本的な用語について説明するとともに、「逆向き設計」論に基づくパフォーマンス課題の作り方や、ルーブリックやポートフォリオの作り方や活用方法などについても解説しました。毎月1回のペースで2時間程度の講義を配信し、各回にミニテストを設け、理解度を測りました。学校現場の先生方や教育委員会関係者などを中心に計266名(うち団体申込人数 118名)が受講されました。
 各講義の講義名と担当者は次の通りです。第1回「2017・2018年改訂学習指導要領の特徴」(西岡加名恵教授)、第2回「『目標に準拠した評価』の基本的な考え方」(西岡加名恵教授)、第3回 「パフォーマンス課題の作成」(西岡加名恵教授)、第4回 「ルーブリックとポートフォリオの活用」(西岡加名恵教授)、第5回 「2019年改訂指導要録のポイント」(石井英真准教授)、第6回 「学校ぐるみの授業改善の進め方」(石井英真准教授)。
 受講後のアンケートに対し、受講者の皆さまからは、次のようなご意見・ご感想をお寄せいただきました。
 「今回の学習指導要領改訂にあたり、『主体的・対話的で深い学び』『パフォーマンス評価』『ルーブリック』『ポートフォリオ』等、言葉だけが独り歩きをして表面的にしか理解していなかった事柄が多くありました。しかし今回の研修で、実践例も交えながら丁寧に説明していただいたことで具体的なイメージが湧き、授業と評価について見直すことができたのが大きな成果でした。(中略)また、研修を受ける前は新しい授業や評価の形に抵抗や不安がありましたが、イメージが湧いたことで『私にもできるかもしれない』『このような形で実践してみようか』と希望やビジョンを抱くことができました。」
 「来年度から観点別評価の試行を学校で取り組みます。そのために、観点別評価についての理解を深めるべく視聴させていただきました。いろいろな書籍や先進校への視察等を通して学んできましたが、この講座の視聴を通して、考え方が整理されました。実際、今年度1年を通して、新しい観点に則した授業実践やテスト等を実施してきましたが、この講座を通して多くのヒントをいただくとともに、足りない部分を自覚することが出来ました。」
 「これまで経験をベースに構成していた授業について、研究された知見に基づいて見直すことができたと思います。また、学校の教員が全員受けているという前提があるため、『共通言語』ができたという安心感があり、校内研修や授業研究などをより積極的にしていけるのではないかと期待しています。また、評価や授業研究などがどれも『子供たちのためにある』という当たり前の点を再認識することができたのは大きな成果だと思います。研究授業ではどうしても他の教員にジャッジされている気持ちになってしまうのですが、子供たちの学びを豊かにするために行っているという意識を持つことで、他の教員を『協働する』仲間として認識できそうです。」
 「スライド(ハンドアウト)が非常に丁寧に作られていて見やすく、お二人の先生方のお話も大変わかりやすく参考になりました。実践例が多く紹介されていたのもありがたく思いました。一言一言の字幕も付いていて、少し聞き逃した時もすぐに戻って確かめることができて、非常に良かったです。」
 E.FORUMでは、引き続き実践に役立つ知見を得られる、楽しくて元気の出る研修を提供していきたいと考えております。今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします。

講義をする西岡加名恵教授
講義をする石井英真准教授