臨床教育実践研究センターでは、毎年、深刻化する教育問題への取り組みの一環として、現代人のこころの理解に主眼をおいた公開講座を開催しています。

今年度は、センター客員教授でカリアリ大学心理学部力動心理学部門教授のステファノ・カルタ氏を講師として、10月27日(日)の午後1時から、京都テルサ セミナー室で行いました。心理臨床家や医療従事者、教育関係者、学生など99名が参加されました。

講演では、メタファーや詩、音楽、絵画など数々の芸術作品、母親と乳幼児の非言語的なコミュニケーションを紹介しながら、秩序、愛、意味、美の関係性について説明されました。そして、それらが人間のこころに対してどのような意味をもつのかということを話されました。講演の後半では、「創造性(creativity)」と「疑似創造性(paracreativity)」という概念について説明され、創造性は、意識と無意識、主観と客観、セラピストとクライエントという二者のあいだを行き来する動きのなかから生み出されるものであるということが話されました。

講演後の質疑応答では、夢や箱庭などユング派の心理療法において大切にされているものについて、「第3のもの」という観点からの議論がなされました。

多くの参加者が講演に聴き入り、また熱心にメモを取りながら受講している様子が見受けられました。

本講座は例年参加者から大変好評を得ており、来年度以降も、現代社会の複雑なこころの問題を理解するための視点を一般市民に向けて広く提供できる場となるよう開催していくことを考えています。

 

(大学院教育学研究科)