京都大学大学院教育学研究科教育実践コラボレーション・センターE.FORUMでは、6月から7月にかけて第15回・第16回連続研究会「学校教育におけるICT活用」をオンライン(Zoomによる同時配信)で開催しました。

第15回連続研究会は、6月5日(土)に開催され、鹿児島県阿久根市立尾崎小学校教頭 山口小百合先生による「オンライン授業で学びを豊かにする 地方公立小学校における実践紹介」を提供しました。学校の先生方、教育委員会関係者を中心に110名の方がご参加くださいました。

参加者からは、「オンライン授業の実践を知りたいと思って視聴しました。実践の様々な様子が参考になったり面白いと感じたりしました。ねらいに合う手立てを考えていくことが楽しいと感じました。」「あくまで授業の目的を明確にし、その目的に沿った学習活動を計画したときに、補いたいところ、さらに高めたいところでICTを使っていくということが大切だと思いました。また、アメリカの最先端の教育を知り、とても勉強になりました。」「公立の一小学校が行っている実践例として、大変興味深く拝見しました。山口先生が『地域によってオンライン活用に差があることにショックを受けた』と仰っていましたが、個人的にオンライン活用に興味のある教師の熱意に頼ってばかりだと、差はますます広がっていくばかりだと感じました。学校レベル、教育委員会レベルでの計画的な取組をどのように進めるか、大きな課題だと思います。」「遠隔授業での学びの多さや、他地域との交流により児童生徒さんが多様な意見などに触れることができること、そして、アメリカとの教育の違いを学ことができました。」といった感想が寄せられました。

第16回連続研究会は、7月3日(土)に開催され、熊本市教育センター・主任指導主事 前田康裕先生による「熊本市が挑む教育 ICT プロジェクトとその先の未来」を提供しました。本研究会は、教育実践コラボレーション・センター「第39回知的コラボの会」との合同企画であり、研究会の冒頭では、教育実践コラボレーション・センター長である南部広孝教授より挨拶がありました。また、学校の先生方、教育委員会関係者を中心に148名の方がご参加くださいました。

参加者からは、「ICTそのものより、授業改善に話の重心が行っていて、かえってありがたかった。うまくつかえるように、というより、何のために授業をして、どこの部分をタブレットを使用するかだということが、腑に落ちた点だった。」、「課題設定や振り返りをどうすればよいのかがわかった。最後に前田先生がおっしゃられた『人は教えてもらうと思った瞬間、考えないスイッチが入る』自分の経験を踏まえて本当にその通りだと思った。子ども達の『考えたいという欲求』を奪わないようにしていきます。」、「熊本市が全員で試行錯誤しながら作り上げてこられたICTを用いた教育というのを見れてよかったです。やはり、始めから成功するというのはわからないわけで、教育において失敗は許されないという考えもあるかもしれないが、1年間を通してベターな方法を探そうと思うくらいの気概でやらないといけないのだろうなと思いました。振り返りが大切である、と言い切っておられたのが印象的でした。」「休校中のオンライン授業の成果と課題のお話の所で、オンライン授業で『教師がいないと学習できない』子どもたちがいて、自立的な学習者を十分に育てられていなかったことがわかった、ということにハッとしました。『主体的・対話的で深い学び』とここ数年意識してきたものの、現状は、教室にいて、教師がかなり先導した授業だったのだということなんですね。去年、学校が休みになるという経験から、再び授業改善の原点に戻って、新たにICTを活用した授業づくりに私たちは挑んでいきたいと思いました。」といった感想が寄せられました。

2回の研修に、延べ258名の方がご参加くださいました。登壇者の皆さま、参加者の皆さまに、心より感謝申し上げます。

第15回講師 山口小百合先生

 

第16回講師 前田康裕先生
教育実践コラボレーション・センター長 南部広孝先生