臨床教育学講座は、既設の二つの小講座(教育人間学講座と臨床教育学講座)を統合するかたちで1998年に再編成された、我が国では数少ない名称の講座である。わたしたちは、その名乗りにふさわしい新しい教育研究スタイルの創造を目指して、理論的臨床的な課題に取り組んでいる。また、本講座は、研究者の養成と並行して、在職社会人(2種院生)の再教育の分野でも工夫を重ねてきている。

矢野智司(やの さとじ)教授
教育人間学:生成の教育人間学

現代思想・人間諸科学の成果をもとにしながら、学習や遊戯やスポーツ、出会いや贈与や供犠といった、人間の変容や生成における創造的あるいは病理的事象から、「人間とは何か」を考察し、さらに翻って、人間についての反省から「教育とは何か」を根本的に捉え直すことを目指している。詳細は、拙著『子どもという思想』(玉川大学出版部)、『ソクラテスのダブル・バインド』(世織書房)、『自己変容という物語』(金子書房)、『動物絵本をめぐる冒険』(勁草書房)を参照。

西平 直(にしひら ただし)教授

齋藤直子(さいとう なおこ)准教授
教育人間学:アメリカの教育哲学

プラグマティズムを中心としたアメリカ哲学を思想的基盤とし、人間の包括的成長に関わる「道徳的完成主義」の哲学及び「生き方としての民主主義」の思想を研究課題としている。日英米の教育哲学の異文化間交流を通じて、道徳教育や市民性の教育などにおける教育倫理の再構築を試みている。