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小野文生(ONO, Fumio)

所属:京都大学グローバルCOE
職階:特定助教

グローバルCOEでの主な担当プロジェクト

  • ユニットD関連プロジェクト

研究紹介
 専門は教育哲学・思想史です。根源へ遡行しながら事象の論理を徹底的につきつめる哲学のアプローチと、事象が生成する時空の大きな文脈を視野に収めながらその生成の様相に具体的かつミクロロギッシュに寄り添う思想史のアプローチの両方を、人間の生成変容の学としての教育学においてこそ大切にしたいと考えています。
研究テーマは大別すると、以下の三つ。
(1)近代ユダヤ思想の哲学的研究:M・ブーバー、 E・レヴィナス、W・ベンヤミン、J・デリダなど、困難な現実や時代と格闘するなかで他者、倫理、言語、共同体といった諸概念に独特な表現を与えた人々の思考を跡づけながら、その普遍性へ開かれた特異な思想のアクチュアリティを探究しています。目下の課題は、ブーバーの対話哲学を「隔たりと分有」という視角から読みかえてゆくこと。
(2)ドイツ・ロマン主義の思想史的研究:近代教育学の理論的・制度的生成期であるドイツ18世紀末~19世紀初頭に遡行して、当時のロマン主義が彫琢した象徴、アナロジー、予感など人間の生成変容をめぐる理論的問題構成を分析しながら、啓蒙近代の諸問題を再検討すること。
(3)学習文化の教育人類学的/人間学的研究:伝統芸能や武道の修行/修業の思想、あるいは経典や宗教的言説における回心や覚醒のレトリック、あるいはさまざまな通過儀礼や年中行事などにおける伝承形態などを対象としつつ、「聖なるもの」とミメーシスという観点から学習文化を再考してゆくこと。
いずれのテーマにも共通しているのは、個と普遍、一と多、信仰と知といった伝統的な問題を、人間の生成変容の理論として、いまこの時においてどのように厚みと深さをもって語り直すことができるのか、という問題関心です。


主要業績
小野文生(2008)「教育哲学の零度――未来の想起と過去の予感とのあいだで」教育哲学会編『教育哲学研究』第97号, 57-62.
小野文生(2007)「分有の思考へ――ブーバーの神秘主義的言語を対話哲学へ折り返す試み」教育哲学会編『教育哲学研究』第96号, 42-62.
Ono, Fumio(2007): Subjunktive-mimetic Performance and the Art of Multiplicity. In: Suzuki, S. & Wulf, Ch.(eds.) Mimesis-Poiesis-Performativity in Education, Waxmann Verlag, Münster/Berlin/München/New York, 81-94.
鈴木晶子・小野文生(2007)「喩えの詩学」楠見孝編『メタファー研究の最前線』ひつじ書房, 503-521.
鈴木晶子・弘田陽介・小野文生(2006)「言葉をめぐってどのように語るのか――メタファーと教育〈詩〉学」鈴木晶子編『これは教育学ではない――教育詩学探究』冬弓舎, 159-184.
小野文生(2005)「言語の亀裂/亀裂の言語――ヘルダーにおける起源への問いと翻訳術」日本ヘルダー学会編『ヘルダー研究』Bd.11, 19-41.
小野文生(2005)「夜が織りあげたものを昼がほどく――シェリングとベンヤミンをめぐる『交感の非歴史的テーゼ』の序にかえて」教育思想史学会編『近代教育フォーラム』第14号, 35-47.
小野文生(2002)「教育哲学における他者解釈の技法の機制について――レヴィナスとブーバーの比較を通して」教育哲学会編『教育哲学研究』第85号, 59-75.
小野文生(2001)「物語の技法と教育の技法――物語の(不)可能性という二重性からその存立機制を問う」『京都大学総合人間学部紀要』第8巻, 61-76.

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