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Last-Modified: 08-Mar-09 20:37:38. JST

こころと身体の在り方についての心理臨床学的理解の試み―心身症を通して


研究代表者:築山裕子
研究メンバー:梅村高太郎・笹倉尚子・谷垣紀子・林明日香・古川裕之・中野江梨子

研究概要
 このコロキアムでは、人について考える際の側面のうち、こころと身体のあり方について、心理臨床学の観点から検討を行う目的で研究をすすめています。
 こころは、言語や行動など様々な形をとってあらわされますが、身体もこころが表現されるチャンネルの一つだといえます。しかし、身体にこころがあらわされたとき、それはしばしば意識的に表現しようとしたものではなかったり、こころでは抱えきれないことが病という形をとってあらわされたりします。しかし、なぜこのように身体によって表現されるのかなど、そのメカニズムはまだ解明されていません。こういったこころと身体の在り方についてのメカニズムを考えていくことは、心理臨床の場で出会うことのある、こころが抱える問題や意識されない悩みを身体化する方たちへの理解を深めることにつながり、臨床的に役に立つと考えられます。
 そこで私たちは、心理臨床学的な視点から身体について考えるために、こころと身体の両面が深く関係している対象として、心身症を取り上げて研究することにしました。心身症とはその発症や経過に心理的な要因が密接に関与し、器質的・機能的障害の認められる病態のことをいいます。心身医学を提唱したAlexander(1950)は、心身症として七大疾患を挙げましたが、今回はその中の一つであるアトピー性皮膚炎を取り上げて調査を行っています。心身症には心理的な要因が関与していることは明らかにされていますが、どのような関与の仕方であるかは明確ではありません。心理的要因によって必ず発症し、その要因がなくなれば治癒するといった因果関係ではなく、より複雑な関連があるのではないかと考えています。
 本コロキアムの活動としては、心身症に造詣の深い外部講師をお招きし、シンポジウムを開催して、心身症やこころと身体の在り方についての知見を深めたり、ディスカッションを行ったりもしています。
 また、普段のコロキアム活動では、調査研究の計画・実施と調査結果の検討、文献講読とそれに基づいたディスカッションを主に行っています。こころと身体についての研究の発展と同時に、ディスカッションを通じて各メンバーのこころと身体についての理解が深まることで、それが各々の臨床に活かされていき、研究が実践に還元されていけばと考えています。
(引用文献) Alexander F.(1950)Psychosomatic medicine : Its principles and applications. 末松弘行(監訳)(1997)心身医学.学樹書院.

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