なぜ「コラボレーション」なのか
教育実践コラボレーション・センター
センター長 田中耕治
教育学研究科の新しいプロジェクト「子どもの生命性と有能性を育てる教育・研究推進事業」(平成19年度から平成23年度)を実行するために、教育実践コラボレーション・センターを立ち上げることになりました。
そのセンターの名前に「協力・協同」するという意味を持つ「コラボレーション」という言葉を選びましたのは、今日の直面する教育課題を打開するとともに、本学研究科の果たすべき社会的な役割を明示するためです。「いじめ」「不登校」さらには「学力低下」といった言葉は、残念ながら、現在の学校や教育を語る際の「枕詞」になっています。この状況に対して、本学研究科に属する私たちは、自らの専門的な立場から学校や教育の抱えるさまざまな課題に果断に挑戦し、実りある成果をある程度生み出してきたと自負しております。
しかしながら、私たちは専門的な探究を進めるなかで、「いじめ」や「不登校」問題の背景には「学力」問題が存在すること、また「学力」問題の裏側には「こころ」の問題が潜んでいること、さらにはこれらの問題群を惹起させる現代の学校や教育の営みを相対化してみることを自覚しつつありました。「生命性と有能性を育てる」という表現は、私たちの専門的な立場を意味するとともに、まさしく両者のアプローチを「コラボレーション」することによってしか問題の深い認識と根本的な解決は果たせないという意味を込めています。
その場合に、「コラボレーション」するとは、「生命性」と「有能性」のそれぞれの立場を縒り合わせるということに止まらず、そのことを通じて、それぞれの立場を自己変革することを展望するものです。もちろん、このような課題は短期間に実現するものではなく、当面はセンターに属する各セクションの活動を充実・交流することにつとめつつ、さらには教育の現場から投げかけられた共通の課題に向かって「コラボレーション」するという経験を積み重ねるという地道な営みが必要となってくるでしょう。
そして、このような「コラボレーション」を支え、推進するためには本学研究科のスタッフと院生・学生たちとの、さらにはさまざまなフィールドを担っている皆様との「コラボレーション」を必要とします。関係各位のセンターへのご理解とご指導を切にお願いする次第です。
