アメリカにおけるメディアの影響について

教育学部2回生 0407 野口素子

 

私は現在、メディアの功罪について非常に興味を持っている。日本でもさまざまな問題を引き起こしているメディアであるが、アメリカではどうだろうかという疑問から、今回調べてみようと思い至った。そこで、これまで社会心理学の枠内から海外のサイトを検索してきた。少し初めの方向性とはずれてきた感もあるが、とりあえず中間発表では、論文が多く載っているWebsiteから取り上げた“Video Games and Aggressive ThoughtsFeelingsand Behavior in the Laboratory and in Life”という論文の概要について報告したいと思う。

ここでは、暴力的なテレビゲームが人間の攻撃性に与える影響について、2つの研究論文を載せている。1つ目の研究では、実生活において暴力的なテレビゲームで遊ぶことは、攻撃的な行動や非行と関係があることがはっきりした、とあった。また、それは、性格的に好戦的な人や男性によく見られるとしていた。そして、テレビゲームをする時間の総計と学業成績は、負の関係を持っているとされた。2つ目の研究では、実験において暴力的なテレビゲームについて取り上げることが、攻撃的感情や行動を増幅させることが示された。以上この2つの研究から、女性よりも男性のほうが敵意のある傾向が強く、また、暴力的なテレビゲームを取り上げることは、短期間(実験で見られる攻撃性のような)、長期間(例えば非行)両方における攻撃的行動を増幅させることが明らかにされたのである。

まだ全文を読んだわけではないため、この結果がどこまで信憑性があるのかわからない。特に、性別による違いや学業成績に関しては私としても興味があるので、最後まで読んでもう少しはっきりとしたことを報告したいと考えている。また、別の文献を探すなどもして、より深く調べることも検討している。

これに似たようなことは、日本でも十分可能性のあることであるし、実際、暴力的なテレビゲームの影響で大きな事件に発展したこともあった。今後、日本のサイトも検索してみて、似たような調査が行われていないかを調べ、日本とアメリカとで比較ができれば…と考えている。また、私としては、“暴力的な”テレビゲームに限らず、室内で長時間テレビゲームとだけ向き合い、外で活動したり実際の人と双方向のコミュニケーションを図ったりせずに、一方向のみのコミュニケーションをしていること自体にも、大きな問題があるのではないかと考えている。このことに関することも念頭に入れつつ以後の調査を続けるつもりである。

現在、テレビゲームの分野は大きな進歩を続けており、どんどん高度なゲームが生まれている。最近では、会話ができるゲームまであるそうだ。確かに、ゲームは上手く利用すれば、利点もたくさんあるだろう。しかし、それに溺れてしまうことは大きな危険を含んでいることは、この研究からも明らかだ。これは、ゲームに限らずメディア全般に言えることであろうが。