UNIT16 TESTING AND INTELLIGENCE

                            林 明日香

Objectives

ビデオの視聴と教材の終了後、次のことができるようになっているはずである。

1.      アセスメント(査定)を定義する。

2.      心理検査の信頼性と妥当性の測り方をいくつか説明する。

3.      知能測定という科学に対するGalton,Binet,Terman,Weschlerの貢献を確認する。

4.      IQはどのようにして算定されるかを説明する。

5. Howard Gardnerの多重知能の理論を要約する。

6. 知能の基礎となる遺伝的・環境的基盤を説明する。

7. ある人についての情報を集めるために使用される4つの方法論的技法を挙げる。

8. 知能と創造性と狂気の間にあるつながりについて討論する。 

9. 職業興味検査の働きを説明する。

10. 知能アセスメントを取り巻く論争について討論する。

 

Program Summary   

保育所から大学に至るまで、仕事や軍隊において、検査は我々をそれぞれ分類し、区分するために使用される。我々の学業における達成と失敗、人格の特徴、そして精神的健康状態についての情報は、我々が教室で、仕事場で、あるいは社会でどう振舞うかを予測するために懸命に集められている。

 

知能を定義し測定することは、おそらく最もよく知られていることだろうが、心理検査を専門とする科学者である心理測定学者にとっては、非常にとらえにくい目的である。今世紀(20世紀)に入って、イングランド人のFrancis Galton卿が精神検査一式を考案してから、知能とは何か、どのようにして知能を測定するか、そして、遺伝や環境がどの程度知能に影響を与えているのかについての議論が継続している。

 

1905年、フランスで、Alfred Binetは教師たちによる主観的な評価を、学校で特別な援助が必要な子供たちを認定する客観的な手法に代替し始めた。彼が作った手続きには、様々な推論課題によって個々に子供たちを検査するということが含まれており、すなわちそれは、個々の子供を同じ年齢のグループにおける子供の平均的な遂行能力と比較するというものであった。

 

 1916年、Stanford大学のLewis TermanBinetの検査をアメリカの学校向けに改良し、知能指数の概念を導入した。Termanは、知能とは、遺伝的に受け継いだ差異と、その人の性質という不変的側面を表す内的な質であると考えるようになった。

 

 Termanの検査は、合衆国に普及するようになった。時代は,多数の子供を検査し、分類するのに効率的で安くて済む方法を必要としていた。教育の必要がある新しく来た移民は何百万人もいたし、第一次世界大戦で戦うために入隊してくる軍の新兵は多数いた。知能を査定することは、この社会的混沌に秩序を与える良い方法のように思われた。多くの人が、知能検査は特別な能力を同定することができる、という考えを認めた。検査結果は、知能には人種的・民族的差異があるという考えを支持しているように思われた。

 

 しかし批判者は、知能検査は言語能力にあまりに依存しており、英語を話さない人々や幼児の能力を測定することができていない、と主張した。1939年、David Wechslerは英語スキルに依存しない検査問題を考案した。このことは知能検査における画期的な出来事であった。