21世紀COEプログラム [心の働きの総合的研究教育拠点]Aチーム主催

メタファ・物語理解と認知修辞学」研究会・講演会

 

研究会では,若手研究者による,メタファと物語理解に関する認知心理学,認知科学に基づく実証的データの発表をおこない,ゲストの内海彰電気通信大学助教授 ,中本敬子文教大学講師を交えて,討論を行 いました。

講演会では,認知科学と工学の学際的観点から,メタファ,アイロニーなどの研究を進めている内海先生から,言語表現の技法・解釈・効果の三者間の相互関係を認知過程のレベルで解明することを目的とする認知修辞学cognitive rhetoric)の構想について,講演いただき,討論をおこないました。

 

日時 2007年 3月9日 (金曜) 14:00-18::30

場所 京都大学時計台記念館2F会議室II

地図 http://www.kyoto-u.ac.jp/access/kmap/map6r_y.htm

 

スケジュール

 

若手による研究発表会

14:00-16:00

発表者

平 知宏 (京都大学大学院教育学研究科D1)「比喩理解における解釈の多様性と知識構築」

常深浩平 (京都大学大学院教育学研究科M2)「物語理解と読者の長期記憶」

コメンテイター

内海 彰(電気通信大学助教授)

中本敬子(文教大学教育学部講師)

 

内海彰先生講演会

16:30-18:30

タイトル:認知修辞学における比喩の認知機構の解明

講演者:内海彰 (電気通信大学電気通信学部システム工学科人間・知識システム工学講座助教授 )

http://www.utm.se.uec.ac.jp/~utsumi/

発表要旨:本講演では,我々のグループが取り組んでいる比喩の理解・観賞メカニズムに関する研究について紹介する.具体的には,「AはB(のよう)だ」形式の比喩文の理解に関する解釈多様性理論やその観賞過程との関係,形容詞や動詞が比喩性を持つ比喩文の理解に関する2段階カテゴリー化理論などについて,心理実験やコンピュータシミュレーションを通じて得られている知見について述べる.さらに,これらの研究を修辞そのものに広げ,表現の技法・解釈・効果の三者間の相互関係を認知過程のレベルで解明することを目的とする認知修辞学の構想についても述べる.

企画・司会

楠見孝 京都大学教育学研究科

kusumi(at)mbox.kudpc.kyoto-u.ac.jp

 

参考

過去の関連研究会の記録

ワークショップ[メタファへの認知的アプローチ](終了:発表資料掲載)

日本認知科学会第22回大会 ワークショップ1[比喩表現の理解・産出:知識の構築と利用の観点から

メタファと物語理解に関する若手ワークショップとGernsbacher先生講演会(2006年1月16日終了)

 

4月出版予定

楠見 孝(編著) メタファー研究の最前線 ひつじ書房

 

2007.3.11