認知心理学概論Ⅱ 1月18日
教育学部3回生 宇津木洋志
認知療法
○ ベック, A.T. によって創始された心理療法。認知の歪みに焦点を当てることによってうつ病や
パニック障害など精神疾患の治療を行う。
○ 知覚・情報選択・短期記憶/長期記憶・判断・予測などの認知のフィルターを通した主観的体験が人
間の情緒体験と密接な関係を持つという理解に基づいている。
○ ABCモデル:外界の出来事(Acting event)をどう解釈するかという認知(Belief)が結果としての
感情(Consequence)を引き起こすというモデル。
出来事 感情
認知
○ 自動思考:ある出来事に出あったときに反射的に自分が自分に語りかける判断や予測や記憶など。
抑うつや不安などを引き起こす要因。
○ 治療では、クライエントが自分の自動思考を自覚し、つぎにその中に含まれている歪みに気づい
て、適切な認知・行動パターンを獲得することを援助する。
○ 認知の偏り
・ 恣意的推論:証拠がない場合や実際にはまったく正反対の証拠がある場合に、ある結論に飛躍すること
・ 選択的抽出:文脈の中からある部分を抜き出し、そのために状況全体の重要性を見失ってしまうこと
・ 過度の一般化:1つの出来事に基づいて妥当性のない決めつけをすること
・ 自己関連付け:出来事をすべて自分と関連付けて解釈すること
・ 分極化した考え:ある出来事に対して、白か黒か、よいか悪いかなど極端に考えること
参考文献
アーロン・T・ベック 1990 認知療法(大野裕 訳) 岩崎学術出版社