認知心理学概論Ⅱ 2005年1月18日 教育学部2回生 月城美智子
1人間の脳のモデル
(1)S-Rモデル
行動主義心理学によるモデル。人間の脳の中で起こっていることには目を向けず、刺激に対する反応を見ることで心理を明らかにしようとした。
しかし、人間の思考や行動のように複雑なものを刺激と反応の関係だけで論ずるのは無理があり、脳の状態に基盤を置くさらに複雑な概念が必要となった。
(2)記号処理モデル
コンピュータによるシミュレートによって脳の中の活動を考えたモデル。IF~THEN...という、条件-行為ルール(プロダクションシステム)によって処理を行うプロダクションシステムモデルが代表的。
しかし、コンピュータはちょっとした処理をさせるだけでも、1000~10000ステップは必要とし、直列処理には限界がある(「100ステッププログラムの制約(Feldman,1985)」)。
(3)コネクショニズム
あるニューロン群の興奮パターンがシナプスを介して別のニューロン群に伝えられるという脳におけるニューロン群の働きをモデルとする。
コネクショニズムはPDPモデルとも言い、これまでの直列処理とは異なり、「並列(parallel)」に「分散(distribute)」して「処理(process)」を行う。
2人間の心のモデル
思考や推論、計算=記号処理モデル(脳の外部) 脳が身体を通して環境の中に記処理モデルを作り出す
人の顔の識別や直感的な価値判断=コネクショニズム(脳)
→心とは記号処理モデルとコネクショニズムが接合された、脳と身体と環境からなる一つのシステム
参考文献
考える脳・考えない脳 信原幸弘 講談社 2000年