認知心理学概論Ⅱ 12月14日
河野一紀
意思決定についての研究の方向と課題の組み合わせによる分類
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「~ついて」の研究 |
「~のため」の研究 |
意思決定問題 |
・具体的な決定問題の歴史的分析 |
・具体的問題の解決のための応用研究 |
意思決定行為 |
・選択行動や確率判断の心理学的研究 ・実験ゲーム |
・SEU(主観期待効用理論) ・MAUT(多属性効用理論) ・ゲーム理論 |
意思決定支援 |
・デシジョンエイドの評価研究 |
・規範理論と利用者のインター フェース ・支援の正当化 |
研究の方向
・「~について」の研究
人間の意思決定行動を正確に記述する一般的な法則を中心とした
理論の構成を目的とする。
・「~のため」の研究
よりよい意思決定を行なうための知識の拡充に寄与することを目的とする。
研究課題のレベル
・意思決定問題
意思決定者の抱えている問題そのものを問題とし、意思決定者もしくはその支援者が
課題に取り組む。→応用研究
・意思決定行為
個々の決定問題の内容的な差異を超えて、意思決定行為に共通の構造やパターンや規則を見出そうとする。→一般的な意思決定の研究
・意思決定支援
意思決定の支援の手続き、支援の効果、理論の現実への応用時の効果の研究。
→一般的な応用研究
参考文献
小橋康章 1988 決定を支援する(認知科学選書18)東京大学出版会