2002.Jun.19 BBSレジュメ

発表者:中西


 

Dual-Process Models in Social and Cognitive Psychology:

Conceptual Integration and Links to Underlying Memory Systems

 

Eliot R. Smith & Jamie DeCoster

 

 

論文要旨

情報処理の新たな(概念的)モデルを提案し、その根拠となる先行研究例や

このモデルを用いた様々な現象の説明を提示している。

さらに、このモデルはこれまでの二過程理論研究の統合として位置付けられ、

その元となった代表的な二過程モデルのリビューも行っている。

 

 

ここで提案される新たなモデルとは・・・

・人間が2つの異なる記憶システムを持っている

・その2つの記憶システムが2つの処理様式に貢献している(特徴付けている)

 

dual-process modelの簡単なおさらい

人間の情報処理過程にはassociativeな過程とrule-basedな過程の2つの様式がある

 

associative processing mode

rule-based processing mode

automatic

conscious

effortless

effortful

quick

(relatively)slow

 

2つの記憶システム

slow-learning memory system

fast-learning memory system

 

相互作用もある consolidationなど

 

多くのtheoristsが類似の見解である Alvarez & Squire, 1994; McClelland et al., 1995; Milner, 1989; Murre, 1995; O'Keefe & Nadel, 1978; Sherry & Schacter, 1987; Tulving, 1983; Schacter & Tulving, 1994 など)

 

2つの処理様式と記憶システムとの関係

associative processing mode

slow-learning systemの特性が直接的にそのベースとなり、

パタン補完メカニズムのような感じで働く

rule-based processing mode

シンボリックに表象された知識に基づく。よって言語能力に依存し、

それは両方の記憶システムに基づく

 

 

 

 

 

Table. 1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このモデルから見た2つの処理様式の特徴

associative processing modeの特徴

·       すばやく、(処理過程が)自動的である(我々は処理の結果に気付くだけである)

·       再現的である(生産的というよりも) - 多重制約充足を行っているだろう

·       (手がかりと記憶表象との)全体的な類似性を検索のガイドとして用いる

·

rule-based processing modeの特徴

·       シンボリックな知識(学習に長期間かからない)が推論や判断をガイドする「ルール」として用いられる(プログラムのようである)

·       インタプリティブである(ルールに順応するというよりも、ルールを用い、ルールにならう)

·       系列的で、ゆっくりであり、effortful

·       分析的である

 

2つの処理様式の関係(これまでの二過程モデルにあったもの)

·       alternative

·       sequential

·       partial-overlapped

·       parallel

 

 

associationssymbolic rulesのどちらを使うか?

動機付け(motivation

認知容量(capacity

その他の要因

       判断のタイプ 直感的、感情的な判断か、合理的な判断か

       刺激や判断対象の一般性と特殊性 個人についてと集団について、など

       気分(mood)

 

 

 

 

 

Table.2