少なくとも1970年代まで日本社会には経済的な理由で進学を断念し、仕事に就いた若者たちが多数存在していた。「学生」に対して勤労する「青年」の文化が独自な展開を遂げており、教育と教養の世界でも固有のメディアと影響力を示していた。こうした勤労「青年」の文化研究としては、労音(勤労者音楽協会)を扱った長崎励朗『「つながり」の戦後文化誌ー労音、そして宝塚、万博』(河出書房新社2013年)、「炭鉱映画」なども論じた日高勝之『昭和ノスタルジアとは何かー記憶とラディカル・デモクラシーのメディア学』(世界思想社2014年)などが近年注目され、今年に入って佐藤卓己『青年の主張ーまなざしのメディア史』(河出書房新社2017年)、福間良明『働く青年」と教養の戦後史ー 「人生雑誌」と読者のゆくえ』 (筑摩書房2017年)が刊行されている。
 このシンポジウムでは、勤労青年の教養雑誌『人生手帖』とNHKの社会教育番組「青年の主張」というメディアに着目し、元NHK報道局ディレクターでもある日高勝之・立命館大学教授と社会教育学的メディア研究を展開する長崎励朗・桃山学院大学准教授の報告につづいて、福間良明・立命館大学教授、佐藤卓己・京都大学教授が応答者としてパネル・ディスカッションを行う。
 最後に会場参加者も含めた討議を行うことで、戦後史における勤労青年文化の意味を明らかにする。

 

日時 2017年3月6日 15~18時
場所 京都大学教育学部第一会議室
対象 研究者・院生・学生および一般
参加費 なし
申込 不要
問合せ先 佐藤卓己 教授
メール:sato.takumi.5e[at]kyoto-u.ac.jp ※[at] を@に変更してください